小径車のすすめ

 トランジットライト 3速 トランジットライト 改造
(左)愛車トランジットライト(ブリジストン) (右)54Tに改造(by NiKIRIN)

 径車とはタイヤの直径が小さい自転車のこと。ミニヴェロ(ミニベロ)と呼ぶ人もいるし、ミニサイクルと言う人もいる。ヴェロと言うとちょっとオシャレな感じがするのですが、知らない人が聞くと『べろ』になってしまうので、自転車に興味の無い人と話すときはミニサイクルのほうがベターかもしれません。蒸気機関車で云うところの欧式のC62と米式の弁慶号ほどの外観的差異を指して、呼び方を区別しているのではないことは確かなようです。大体においてミニサイクルと呼ばれるのは、ママチャリ的使われ方をする小径の自転車のようです。ミニヴェロと呼ばれるものは小径のスポーツ(スポーティ)車、またはオシャレな小径車、またはこだわりをもって作られた小径車を指しているようにも思えます。まぁどっちでもいいですね。


 てさて、僕が『すすめ』ている小径車とは軽い自転車のことです。何が軽いかっていえば、重量はもちろん、軽快な走りができるという意味を含みます。小径車の多くは折り畳み自転車です。折りたたんで小さくするにはタイヤの径も小さくする必要があるからでしょう。稀に26インチなど大径の自転車で折りたためるのもありますので、折り畳み自転車イコール小径車ということにはならないようです。逆に折り畳み機能なんか端っから考えていない小径車もあるわけで、そういう小径車はかなりスポーツ志向の強い自転車だったりします。


 常のママチャリの重量は、子供用チェアや前カゴなどのフル装備で17〜19Kgはあります。軽快車と呼ばれる自転車では15Kg前後でしょうか。ところが小径車(折り畳み自転車)では10Kgを切るものを比較的安価に手に入れることができます。10Kgとはロードスポーツ車並みの重量です。しつらえの良い小径車であればタイヤ径の小ささと相まって、こぎ出しのレスポンスの良さはだれもが実感できると思います。普通のママチャリから乗り換えると目からウロコかもしれません。ただし、小径車はトレール値が大きく取れないなどの理由で、安定性に関しては若干劣るように感じるかもしれません。だからといって危ない自転車ではありません。小径車はその特性をちゃんと理解して乗るべきものだと思います。同じ自転車だからといって一派一絡げで考えてはいけないのです。


 市の簡便な交通手段としての自転車は、交差点の信号や横に広がって歩く歩行者をかわすために、常にストップ&ゴーや減速と加速の繰り返しを強いられます。(歩行者の多い歩道では自転車から降りたほうがベターです)
そんな環境でベストマッチングな自転車は、軽快なレスポンスと小回りのきく小径車だと思うのです。見た目も可愛いので威圧感もありませんし、女性が乗っていればキュートな印象を受けること間違いなし…かも。
駐輪するときでも、普通サイズの自転車に比べて占有面積が小さいので人の迷惑にもなりにくいし、折りたたんだ状態で駐輪できれば車種によっては3分の1以下の面積で済みます。昨今の放置自転車問題も、小径車(折り畳み)が広く普及していれば、自転車に対する風当たりはもう少しマシになっていたかもしれません。


 なみに僕が日常の足にしている自転車は、ブリジストンのトランジットライト内装3段(上写真)です。オプションの泥除けとスタンドを付けて重量は10.5Kgくらでしょうか。ワンタッチで二つ折りにしてスタンドで自立するので、自宅のドアの横にちょこんと置いて重宝しています。ハンドルとサドルを縮めてペダルを畳めばさらに小さくなるので、普通の乗用車なら車種を選ばず余裕で積載可能だと思います。タイヤはフロント16インチ、リア18インチ。ブレーキは純正のままでは少し効きが悪いように感じます。これといったギミックはないですが、基本性能をきちっとおさえた普通に使える普通の折り畳み自転車だと思います。
この他に僕は12.5インチの小径車も所有しているのですが、日常に供するにはタイヤ径の小ささによるデメリットのほうが大きすぎて実用的ではありません。こういう車種は出先でのチョイ乗り的使い方がベストじゃないでしょうか。日常の使用で小径車のメリットを最大限に享受できるタイヤ径は、14〜20インチくらいがジャストサイズだと思います。


 ランジットライトのハンドルには、ちょっと頼りなげですが内装式のワイヤーキーが標準装備されています。実はこれが意外と使えるアイテムなのです。折り畳み自転車は総じて小さくて軽いので、普通車に比べて盗難の危険性は高そうな気がします。どこかに繋いでおかないと、ドロボーがその気ならちょいと持ち上げてそのままもって行かれそうですから…。ワイヤーキーはハンドル内装なのでサドルの下に丸めておく必要もないし、駐輪するときサッと取り出せて『痒いところに手が届く』的な秀逸な装備だと思います。できればもう少し太めのワイヤにしてもらえると安心感も増すのですがね。


 ころで、このトランジットライト(3速)で唯一気に入らないのはギア比です。平坦路での走行では、三つのギア『軽』『平』『速』のうち『平』か『速』で走るのですが、どちらも中途半端なのです。『平』では軽すぎて足が空回りするような感じだし、『速』ではちょっとした向かい風で重くなっちゃいます。
そこでチェーンホイールに(ちょっと無理やりですが)54Tのギアを、NiKIRINさんで取り付けて頂きました。(その節はありがとうございました)


 果は上々で、15〜25Km/h程度の市街地走行では『平』で気持ちよく走れるようになりました。『速』での最高速も伸びて無風時で43km/h、思いっきりスピードを出しても振らつくことがないのは、フレーム剛性がしっかりしているからでしょうか。
こうしておよそ一年間、わりと荒っぽい使い方をしてきましたが、これといった不具合はまだありません。2万キロの走行テストをするブリジストンだけのことはある…のかな?。(トランジットライトもその対象になっているのかどうかはわかりません)


 んなトランジットライトに今年(2004年)春から(?)トランジットライトスポーツという外装7速付きがラインナップされています。さらにブレーキも強化されていて内装3速との価格差はおよそ1万円ほど…う〜んなんか悔しいですね。もっと早く出して欲しかったですよ〜ブリジストンさぁ〜ん。
僕的には内装8段で作ってほしかったな〜。(外装だと運搬時に壊しそうだから)
これから購入を考えている人がもし内装3段か外装7段か悩んでいるのであれば、迷わず7速のトランジットライトスポーツをおすすめします。車での移動が多い場合は内装3段にしたほうが良いかもしれません。そんなのど〜だっていいという人は変速ナシを選ぶべきでしょう。故障個所が少ないことに越したことはないですもんね。


初めて折り畳み自転車を買う人のために・・・

 近の小径車、折り畳み車のなかには、走行時のフレーム破損など生命が危険に晒されるほどの、品質的に大きな問題を抱えた自転車が多く出回っているようです。その多くは中国などの海外メーカー製と云われていたりします。では国内メーカーなら安心かといえばそうとも限りません。全てのパーツを海外で生産しても、国内で組み立てれば日本製となってしまうのです。ですから国産車が必ずしも安全・安心とは限らないのです。つい最近も名古屋にある老舗的自転車メーカであるT社製小径車の欠陥が発覚して大量のリコール問題となりました。(同社がその自転車を日本製自転車として販売していたかどうかは僕は知りませんが、少なくともウェブページの目に付きやすいところに、中国製とも日本製とも明記していません。この場合事情を知らない人は国内製の自転車として認識するのは当然ありえること)
一方では中国製や台湾製でも、高い技術をもち信頼のおける品質管理をしているメーカもあるので国外製品が必ずしも質が悪いとは限らないのです。そのようなメーカーの自転車はそれなりの価格ですし、ホームセンターなどで格安に販売されることはありません。


 転車は今、消費者安全保護法の適用を受けるかどうかの岐路に立っているようです。これが適用されると劣悪な品質の自転車は姿を消すでしょうが、バックヤードビルダーやカスタマイズショップに大きな影響を及ぼすことは必至です。個性的な自転車や自分だけのカスタマイズした改造自転車に乗れなくなる日が来るかもしれないのです。法で規制されることの弊害は、今の日本を見れば枚挙にいとまがありません。いつまでも楽しい自転車を愉しく乗れるような自由な社会が続くように、消費者としての私たちも自転車購入時には細心の注意を払いたいものです。


 は実際にどんな自転車を選べば良いか…。検索エンジンで『自転車の選び方』と入力してその答えを得るもよし、『安けりゃそれでいい』のであればそれでも良いと思うのです。要は欠陥が原因で事故やケガをしてしまったときの保証なり対処なりを、自らきちっと理解して実行できることだと思います。
一番頼りになるのは、やっぱり自転車屋さんなのだと思います。誠実な店主・店員であれば、どの車種が壊れやすいとか、どれが丈夫だとかいろいろ教えてもらえます。逆にそうでない自転車屋さんは信用しないほうが良いかもしれません。安物買いの銭失いになるまえに、一度いくつかのお店に出向いてジックリお話しを聞いてみるのも、決して遠回りではないと思います。『たかが自転車』となってしまった観が否めない昨今ですが、『されど自転車』なのではないでしょうか。愉しく大切に乗りましょう!


 追記…
知人から「17バイシクル」という変わった自転車屋さんを紹介していただきました.丁度その近くに野暮用があったので,そのついでに早速伺ってみることに….場所は両国駅から歩いて10分くらいのところにある,小さなお店なのですが,EX WALKERという小径車一車種のみしか扱っていない,というかこの自転車の製造販売元の直営店とのことです.
17bicycle EX WALKER 8.5インチのタイヤに62TのチェーンリングとX字のフレームが特徴的な自転車.小径車の中ではとりわけ小径な部類に入るのではないでしょうか.2年前(2003年だったかな)サイクルショーで拝見していたのを,後になって当時撮った写真を見ていて思い出しました.とてもフレンドリーな応対で詳しくご説明いただいたのを覚えています.当時も,「ホイールベースが普通の自転車と同じだからちゃんと乗れる自転車」であることを力説されていました.その時試乗しなかった(できなかった)ので今回は奇しくも直接お店に伺っての試乗となったワケです.
 蔵前橋通りや路地などをしばらく走り回ってみたのですが,意外に乗りやすいので驚きました.同サイズのタイヤを使っている某社の自転車よりも安定性は高いように感じられます.段差の通過は見てのとおりのタイヤですから無理は禁物ですが,舗装された市街地で使う分にはある程度実用性はあると思います.でも時速20キロくらいを上限にしておいたほうが良いかもしれませんネ.気になる購入後のメンテナンス,特にタイヤの値段ですが,量産電動スクーター用のタイヤを使っているとのことですので,とりわけ懐具合を心配することはなさそう.ただ径が小さい分磨耗速度は速いでしょうね.耐久性に関しては,フォールディング機構が折れ曲がるるタイプと違って,パンタグラフのように折りたたむタイプなので結構丈夫かもしれません.

 試乗して帰る途中,両国の駅前で偶然この自転車に乗っている人を発見しました,タイヤがあまりにも小さいので,かなり不思議な感じがします.目立ち度はリカンベントほどではありませんが,通り過ぎた後何人かは振り返って見ていました.ちょっと変わった自転車に乗ってみたいと思っている人にはお奨めの一台かもしれませんね.

 意外な乗りやすさと共に,変り種自転車の中では価格も意外にやすいと思います.そして4月(2005年4月)からはマイナーチェンジを受けてカラーのラインナップも増えるそうです.店内にはイージーライダー風に改造したEX WALKERもあるので,試乗に行かれた方は必見ですヨ.


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